2016/5/27 20:01:03

キャバリアを襲う心臓疾患の恐怖

    1.キャバリアと心臓病

    5割のキャバリアが心臓疾患を患う!?

    キャバリア

     キャバリアはしばしば、他の犬種に比べて短命だと言われることがあります。その噂には、キャバリアが心臓病を患いやすいことが少なからず関与しているかと思います。キャバリアの5割は、若い内に何かしらの心臓疾患を患う可能性があると言われるほど、キャバリアと心臓病は切っても切り離せない関係に在るのです。

    その代表的なものとして挙げられるのが、後天性の心臓疾患である「僧帽弁閉鎖不全症」です。ただし、先天性の心疾患もかかりやすいと言われていますので、そればかりとは限りません。

    photo by Richard Walker

    2.キャバリアがもっとも罹りやすい僧帽弁閉鎖不全症

    僧帽弁閉鎖不全症って何?

    キャバリア

     前述のとおり、キャバリアは「僧帽弁閉鎖不全症」にかかりやすいと言われています。それでは、「僧帽弁閉鎖不全症」とは具体的にどんな病気なのでしょうか。

    「僧帽弁閉鎖不全症」とは、「僧帽弁」と呼ばれる弁が閉じなくなり、血流が逆流してしまう病です。この「僧帽弁」は左心房と左心室の間に位置しています。この「僧帽弁」が閉じなくなると、本来循環するはずの血液が左心房内に逆流してしまいます。

    僧帽弁閉鎖不全症の症状

     僧帽弁閉鎖不全症の恐ろしいところは、発症初期はほとんど自覚症状がないことです。心音に多少の雑音が入りますので、早期発見される場合は健康診断などで偶然発見されるケースが多いかと思われます。

    進行すると、”ゼーゼー”と苦しそうな咳をすることや、呼吸を苦しそうにする様子が見られるようになります。これは、肺がうっ血したり、水分が溜まり肺水種になってしまったことが原因です。

    さらに悪化すると、呼吸困難、およびチアノーゼ(舌の色が青紫色になること)が見られるようになり、最悪の場合死に至ります。

    なお、前足を踏ん張るように大きく開き、上を向いて呼吸をする姿勢は、起座呼吸と呼ばれる、呼吸困難である状況を解消するために行う特徴的な姿勢です。この姿勢で呼吸をしている状況であれば、呼吸困難に陥っている可能性がありますので、すぐに獣医さんに相談しましょう。

    僧帽弁閉鎖不全症の天敵は「肥満」

     この僧帽弁閉鎖不全症は後天性、つまりは生まれついてのものではありません。そのため、日常生活に気をつければ、発症の可能性を低くすることができます。

    僧帽弁閉鎖不全症の天敵は「肥満」です。肥満になると、心臓も筋肉の一部ですので肥大化します。しかし、「僧帽弁」などの心臓の弁の大きさは変わりません。そのため、心臓の肥大化についていけず、僧帽弁閉鎖不全症になりやすくなってしまうのです。

    そのため、普段から肥満体型にならないように配慮してあげる必要があります。毎日の適度な運動と適切な食事管理は欠かせません。「可愛い」と可愛がることだけが愛情ではなく、そういった毎日のお世話にも愛情は現れてきます。わんちゃんが健康でいてくれるように、愛情をもって毎日お世話しましょう。

    もし「僧帽弁閉鎖不全症」を発症した場合は…

    キャバリア

     僧帽弁閉鎖不全症に関わらず、病は早期発見が重要となってきます。ただし、この病気の場合、いわゆる外科手術を行うことはほぼありません。原因となる「僧帽弁」を付け足すことはできないため、主に投薬での治療となるでしょう。

    また、日々の生活でも心臓への負担を軽減するため、注意しなければならないことが変わってきます。食事を低ナトリウム食、つまり塩分控え目の食事へと変えることが望ましいです。病気の進行具合によっては、獣医さんから低ナトリウム食の処方があるケースもあります。

    他にも、運動を制限しなければならない場合もあります。激しい運動をすることによる心臓への負担を避けるためです。ただし、前述のとおり、肥満にも気を配らなければならないため、食事管理とのバランスが必須となってきます。

    photo by Linda Dannhoff

    3.キャバリアで注意したい先天性の心疾患

    早期発見が重要!心奇形

    心疾患

     キャバリアにおいて他に注意しなければならない心臓病として、先天性の心奇形が挙げられます。心奇形にはいくつかの種類がありますが、キャバリアに特に多いとされているものが、左心室・右心室を隔てている心室中隔の一部が欠損してあなが残り、この欠損したあなをとおして循環器系に様々な以異常が発生する「心室中核欠損症(VSD)」、生まれる前に重要な役割を果たしている動脈管が生後も閉鎖せずに残り、多くの異常が発生する「動脈管開存症(PDA)」の二つが代表的です。

    また、この心奇形は程度などによって処置が不要である場合もあります。しかし、場合として内科的療法、あるいは外科手術を要するケースもあります。いずれにしても早期発見による診断が望ましいと言えますので、日々わんちゃんの様子を見て、咳が見られる場合や呼吸を苦しそうに行っている様子など見られた際には、獣医さんへの相談を検討しましょう。